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ラトーヤの本「Starting Over」の感想(1) [Startin' Over]

Starting Over

Starting Over

  • 作者: La Toya Jackson
  • 出版社/メーカー: Gallery
  • 発売日: 2011/06/21
  • メディア: ハードカバー


本書は、前作「インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー」の続編にあたるラトーヤの自伝で、タイトル「Starting Over」(再出発)が表すとおり、前夫(兼マネージャー兼DV虐待者)との関係を乗り越え、離婚・家族との和解を経て再出発する話、さらに、近年ラトーヤが見たマイケルの周辺、彼女が語るところのConspiracy(陰謀)についての内容も加筆されています。

本書は一時「Biographies 」カテゴリで1位、売り切れになるなど、それなりに売れ行きは良いはずですが、やはり洋書だからか、各所から感想が聞かれるということはないようです。また、姉の本という立ち位置が敬遠されているのか、このストレートな表紙が用心深いマイケルファンを混乱させているのか、「気になるけど、どうなの?」ぐらいの感じで遠巻きに見ている人がおおいのではないでしょうか。

でも万が一、英語がそれほど苦にならない方で、ちょっとでも「読もうかな?」って気がある方がここを見ていらしたら、私はとてもオススメします。


こんな表紙ならいかが?キレイすぎ?
Starting Over

Starting Over

  • 作者: La Toya Jackson
  • 出版社/メーカー: Gallery
  • 発売日: 2011/06/21
  • メディア: ハードカバー


本書は、あまりにもトピックが多く、「DV」、「Conspiracy」、「Starting Over」etc…、それぞれについて感想が書けそうなんですが、その中でも気になったテーマの一つが

「Joseph」

です。

先日も書いたとおり、当ブログでも「父ジョセフとの仲は近年においては一般的に思われているよりずっと良好であった」との仮説を検証すべくイロイロと書いてきたわけなんですが、その確信が深まったというか、むしろ謎に思えるほど近年のマイケルの父への信頼は厚かったと言わざるを得ません。

ジョーのドイツ語本で「La Toya」という章まで設けて娘への思いを綴っていたのに応えるかのように、
ラトーヤも本書の「Starting Over」という章で7ページを費やして父への思いを語っています。

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(暴力夫のゴードンから逃げ出し、ランディに付き添われてNYからラスベガスに移動したラトーヤ p157)

ラスベガスに到着したその日のうちにランディはジョセフのところへ連れて行ってくれた。もう何年も父とは話をしていなかった。父とそこにいられたことはかけがえのないひとときだった。なぜなら、ようやく、私は安全なところに来たのだと感じられたからである。もしゴードンが捕まえに来ようとしたら、ジョセフが守ってくれることが私にはわかっていた。

ジョセフは私の身の安全を心配してくれたが、私は実際よりも強くふるまって見せ、大丈夫だから、心配しないで、と言った。私は楽しい話をするように努めたが、心の奥底では、ジョセフのそばを二度と離れたくない思いでいっぱいだった。父ならば私の身に何事も起こらないようにしてくれることが、私にはわかっていたからである。

何年も後に、マイケル自身の人生が私のように狙われたとき、彼は私とまったく同じ言葉で、なぜジョセフに傍にいてもらいたいかを語ったものだった。マイケルが亡くなる前日、最後の彼の電話のひとつは、父へのものだった。彼を餌食にしようとする人々から守ってくれるよう頼む電話であった。
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ジョーとマイケル
MJ and Joe.jpg


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(話は飛んで、マイケルが亡くなった日にマイケルの部屋を調べに行ったラトーヤ達家族 p298)

マイケルは生涯を通じてずっと、とり付かれたような「メモ魔」だった。私は、これまで、あれほど「すべての」考えを書き残す人をマイケル以外に一度も見たことがない。彼は、壁に、鏡に、部屋に何か書けそうな場所があればどこでも、自分の思ったことを書くのだった。彼がキャロルウッドに住み始めたのはクリスマスからだったが、ベッドルームはポストイットでいっぱいで、最後の日々の思いがたくさん書かれていたのだった。そのメモの中に私たちが見つけたのは、

I hate xxxx.
xxxx stole lots of money from me and continuously double & triple billed me.
I hate xxxx.
Call Joseph.
Get Joseph's help to get these people out of my life.
I don't want xxxx back in my life.
.....

xxxxが嫌いだ。
xxxxは僕から金を盗んで二倍三倍の請求を突き付けてくる。
xxxxが嫌いだ。
ジョセフに電話
ジョセフの助けで僕の人生からこれらの人々を追い出す。
xxxxは僕の人生に戻ってきてほしくない。



それとともに、何百というメモと、紙の切れはし、書類を私たちは確認した。これらのメモから、マイケルが恐れていたのが誰だったのか、私たちは理解したのである。
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(xxxxが誰なのか、気になる方は本でご確認ください。。)


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(p326)
どうやら、マイケルはプリンスとパリスにこのような指示を何度も何度も伝えていたようなのだ。
「おじいちゃんに電話すれば、どうすればいいか教えてくれるよ。助けてくれる。」
Call Grandpa, call grandpa.

残念ながら、メッセージはジョセフに届くことはなかった。マイケルは前日に実際ジョセフに電話しようとしたのだが、その日の電話は繋がらなかった。
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裁判のときの写真でも、ジョーのそばでのみ落ち着いた様子をみせるマイケルがみられましたが、本書に記された救いを求めるような行動は少し不思議に感じられるほどでした。
姉が自らの経験を重ねて説明するように、傍にいると安心するという感覚はもはや理屈ではないようにも感じられ、まだ、私はマイケルの父への思いを本当のところで理解していないのではと感じました。このときの特殊な状況がそうさせたのか?というのも重要なポイントであるとは思うのですが。


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(ラトーヤの離婚時の話に戻ります p161)

父が私への優しさを示してくれるちいさな行為の積み重ねが、何よりも私たちの和解を進めたのだと思う。外から見たら大したことではないだろうし、私たち家族の間でしばしば行き交う豪華なプレゼントと比べたらとても小さなものだろう。ゴードンから逃れた直後、ジョセフはいままでで一番のすてきなプレゼントをくれた。当時怖くて家を出られなかった私のために、料理が出来なかった私のために、電子レンジで卵を調理する道具を買ってくれたのだ。父は、私のマンションに来るたび、私を笑顔にするために、そういった小さくて可愛いものを持ってきてくれるのだった。


こんなことを言うと、父は決して許さないだろうが、私は成長するにつれ、ジョセフは言葉は厳しいが、見かけとは裏腹に、心根が優しいことに気付いてしまったのだ。

He'll probably never forgive me for saying this, but as I've gotten older, I've come to realize that Joseph's bark is much bigger than bite.
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