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ビッグ・ボーイ [マイケル]

マイケル関連のイベントニュース続きでしたが、海外でも色々と動きがあるようで、6/25に3Tとティトがローマで追悼コンサートをやるとか。見てみたいなあ。

さて、 Michael Jackson For the Record の記事でちらりと触れたこのアルバムについて、予告通りご紹介します。

BIGBOY Jackson Five featuring Michael Jackson
ビッグ・ボーイ

ビッグ・ボーイ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ジムコジャパン
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: CD

トラックリスト:
1. Big Boy (Gordon Keith)
2. You’ve Changed (Gordon Keith)
3. We Don’t Have To Be Over 21 (Sherman Nesbarry)
4. Michael The Lover (Gordon Keith)
5. Stormy Monday (T. Bone Walker)
6. Saturday Night At The Movie (Barry Mann / Cynthia Weil)
7. Tracks Of My Tears (Smokey Robinson)
8. A Change Is Gonna Come (Sam Cooke)
9. Lonely Heart (Gordon Keith)
10. Boys and Girls, We Are The Jackson Five (JAM SESSION ) (Sandy Wlbourn)
11. My Girl (Smokey Robinson)
12. Soul Jerk (Gordon Keith)
13. Under The Boardwalk (Artie Resnick/Kenny Young)
14~24 Bonus Tracks (Studio Live Session Demo)

モータウンからデビューするより以前、地元のレーベルSteeltownとの契約によりレコーディングされた音源です。世界で初めて、1993年に日本でCDリリースされたというもの。
初CD化ということで貴重な音源だったわけですが…、お店でこのCDに出会って軽い気持ちで買った人って、おそらく「ジャクソン・ファイヴのモータウンサウンド」を期待して(間違えて)買ったのではないでしょうかね。トラックリストにはカバー曲も多いですし。期待を裏切る「いかにもアマチュア」な感じに、あれ~~?となった人も多くいたのでは…(うちはそうでした^^;)。
表記が”Jackson5”ではなくて”Jackson Five”なのがミソでしょうか。”5”になったのはモータウンとの契約後ですからね。

さて、Steeltownとの契約の経緯と曲の紹介ですが、私より当事者のマイケル自身とジョー自身から説明してもらったほうが良いと思います。

☆☆☆
まずはマイケルから。自伝「ムーンウォーク」より:
「シカゴのクラブで成功してからまだそれほど時が経っていなかったある日のこと(1967年、マイケル9歳)、父さんは、僕らがそれまで聴いたこともない曲ばかりが入ったテープを家に持ち帰ってきました。僕らはラジオから流れてくるポピュラーな曲を演奏することに慣れていたので、いくつかのギター・コードをバックに、あまり歌のうまくない男が歌う曲を、父さんが何度も何度もかけるのが不思議でした。父さんは、テープに入っている声の主は、実は歌手ではなくゲイリーでレコーディング・スタジオを持っているソングライターなんだ、と言いました。名前をキースさんといって、僕らが彼の曲をレコーディングできるかどうか、判断するのに一週間の練習期間をくれるというのです。僕らは当然興奮しました。どんなレコードであれ、僕らはレコードを作りたかったのですからね。」

jacksonfive.jpg

そして、ジョーの自伝より:
「Steeltownの責任者はデモテープを聞くと、すぐに私に会いたがった。そして彼が家に来れるよう私の友人が手配してくれたんだ。彼はジャクソン・ファイヴと契約したいと言った。当時は7~10年の契約期間が普通だったから、彼には説明したよ、長くても半年の契約にして欲しいとね。なぜなら、私たちはまだモータウンとの契約に向けて奮闘しているところだったからね。彼はそれに同意したが、当時それはきわめて稀なことだったんだ。
Steeltownは、6曲の曲をレコーディングし、1968年にそこから初めてのシングルが発売された。”I’m a Big Boy Now(ビッグ・ボーイ)”、そして後面に”You’ve Changed”だ。マイケルがリードシンガー、他のメンバーがバックグラウンドを歌った。」

jacksonfive2.jpg

マイケルの語るレコーディング風景:
「兄さんたちが楽器をどこにつないで立てばいいのか探していると、バック・コーラスのシンガーたちとホーン・セクションの人たちが到着しました。(←つまり兄弟はバックボーカルだけでなく演奏でも参加したんですね!)」
「何回か、毎週土曜日にレコーディングしました。ある土曜日、父さんは僕らと一緒に演奏しようとして、スタジオにギターを持ち込みました。彼が僕らとレコーディングしたのは、その時が最初で最後です。(←父と息子、唯一の共演。どの曲でしょうね??ジョーの本には見つからず。彼にとっては特記事項ではないのかな。マイケル、お父さんの一挙一動を良く覚えているんですね…。)」
「そのSteeltownからのファースト・シングル『ビッグ・ボーイ』には、すごくイカしたベース・ラインが組み込まれていました。それは、女の子と恋に落ちたがっている少年のことを歌った、まあまあの曲でした(まあまあの曲…笑。ちなみに原文では:It was a nice song about a kid who wanted to fall in love with some girl)。」

その曲、I’m a Big Boy Nowがこちら


モータウンと比べてしまうとちょっぴり未熟な感じがしますが、でも、それは全米一位のサウンドと比べるからであって。
人生初のレコーディング、しかも有名曲でもないわけですから練習のお手本もなく、それでこのクオリティはやっぱりすごいマイケル、そしてジャクソン・ファイヴ。
まだ磨かれていないこの音を聞いていると、彼らをスターにしようとしていたジョーの夢の大きさ、そしてそれを実現してしまったマイケルと兄弟たちの努力、そしてモータウンの(ベリー・ゴーディーの)洗練…、色んなものに思いを馳せてしまう、そんな曲です。

You've Changed


ジョーの本より:
「”I’m a Big Boy Now”はシカゴ、インディアナ、ミズーリ、ニューヨーク、そしてカンザスの5つの州でヒットしたよ。JET誌のトップ20リストに入ったときには、やって来た道が間違ってなかったと分かった。今じゃ人気のコレクターアイテムになっているよ。
Steeltownがレコーディングしたもう一つの曲、“We don’t have to be 21 to Fall in Love”はセカンドシングルとして、インディアナでだけリリースされたんだ。B面は”Jam Session”だ。そして、当時の曲であまり知られていないのが”Never Had a Girl”。曲はそう悪くはなかったが、サウンドが貧弱でね。当時は4トラックしかなかったんだ。今じゃ、48かそれ以上が普通だっていうのに!」

We Don't Have To Be Over 21 (To Fall In Love)


Jam Session


↓ジョーが「知られていない」というだけあって、これはCDにも入っていませんね。
(もはやCD紹介ではない^^;)

I Never Had A Girl


そして、CDにいくつか収録されているカバー曲からこれを。

Tracks of My Tears


↑ これは、かなり気楽に録音されているようですし、デモ版でしょうか。

本家スモーキー・ロビンソンの歌う”Tracks of My Tears”では、おそらくマイケルを思い浮かべながら歌っていたであろう、去年のRock n' Roll Hall of Fame(ロックの殿堂)での歌が最高でした(伴奏はスティービー・ワンダー)。
ロックの殿堂でのきれいな動画を載せるのは難しそうなので、かつてのスモーキーのLive映像をここに。ちょうど、同じようなアレンジですし。それにしても、ここからまったく衰えていないのが凄いのですけれど。

Smokey Robinson Live "Tracks of My Tears"


スモーキーの声、いいですよね。今年のグラミーでの”Earth Song”も良かったですね。

初めてスモーキーと握手したときのことが忘れられないと語っていたマイケル。マイケル自身が「ファンの立場」のエピソードが可愛い。
「スターになってしまうと、自分のささいな仕草が人の印象に残るなんて考えもしなくなるものですが、ファンの人たちはよく覚えているのです。少なくとも、僕はそうでした。だから、僕は『彼の手ってとっても柔らかいんだ』と言い回っていたのです。今、思い返してみるとつまらないことのように思えますが、でも、当時の僕には強烈な印象だったんです。なんたって僕はスモーキー・ロビンソンと握手したんですからね。」

これを思い浮かべながらロックの殿堂を見ていて。
まさかスモーキーも、マイケルを見送るなんて考えてなかっただろうな…と思えてきて、切なかったです。

☆☆☆

随分長くなって、脱線もしてきたので(笑)、このへんで。
載せられなかったものも、結構、Youtubeにあります。ちなみに、ビッグ・ボーイはiTuneで購入できるみたいですね。
でもこれだけ紹介しておきながら、個人的に一番好きなのは、No. 5 “Stormy Monday”やスタジオセッション(トラックNo. 15)冒頭のブルージーなマイケルだったりします^^;
モータウン時代でも、いわゆるバブルガム・ソウルよりも、まんまソウルの”Ain’t No Sunshine When She’s Gone”とか”Who’s Loving You”が好みなものですから。(もちろんABCなども大好きですけれど)

というわけで、最後はおなじみのモータウンサウンドで。
こういうマイケルを聞くと、やっぱり天才だなあと思います。マイケル、背伸びさせちゃって、ゴメンね…とも思う、でも体験していない感情まで歌に込めるこの才能はやっぱり凄いなあ。

Ain’t No Sunshine When She’s Gone
http://www.youtube.com/watch?v=yOBx6C90GlM

Who’s Loving You
http://www.youtube.com/watch?v=cOxIKJTTB2k


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